重症全大腸炎型潰瘍性大腸炎・大腸全摘出後に動脈性出血によるショックを呈したUC類似全小腸病変の1例

DOI
  • 石橋 朗
    埼玉医科大学総合医療センター 消化器肝臓内科
  • 加藤 真吾
    埼玉医科大学総合医療センター 消化器肝臓内科
  • 山鹿 渚
    埼玉医科大学総合医療センター 消化器肝臓内科
  • 可児 和仁
    埼玉医科大学総合医療センター 消化器肝臓内科
  • 岡 政志
    埼玉医科大学総合医療センター 消化器肝臓内科
  • 名越 澄子
    埼玉医科大学総合医療センター 消化器肝臓内科

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抄録

<p> 34歳男性。201X年発症全大腸炎型潰瘍性大腸炎。抗TNFα・トファシチニブ・タクロリムス抵抗性のため、201X+1年に入院となった。入院後ウステキヌマブにて加療するも増悪し、入院後day10で緊急手術となった。術直後からCRP高値、頻回の嘔吐、多量の人工肛門からの排液、造影CTで全小腸粘膜の浮腫および多量の腸液貯留を認めた。原因不明のため当科へ再転科。CS施行したが、残存結腸は潰瘍と虚血性変化、人工肛門からの回腸は粘膜腫脹し全周性に粗造粘膜で膿汁分泌物多量であった。EGDも十二指腸球部から肛門側に多発潰瘍・自然出血を認めた。小腸の病理所見はUCに類似であった。NG、人工肛門の排液は8L/日以上に達し、UC術後の広範小腸病変と判断し、day23よりPSL40㎎開始するも効果なく、GCAP併用。day28よりPSL50㎎へ増量し症状改善傾向であったが、day33に十二指腸下行部の潰瘍からの動脈性出血あり血管塞栓術にて止血成功。day36でCRP改善傾向のためシクロスポリン持続注併用開始しPSL40㎎へ減量。day39のCTで両側肺動脈に肺塞栓を認めへパリン持続注開始。その後CRP値・腹部症状は悪化傾向でday44にPSL60㎎へ再増量し現在も加療継続中である。大腸全摘後に小腸出血、小腸全体のUC類似病変を呈した重症型潰瘍性大腸炎の一例を経験した。</p>

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