鏡視野での仙骨前面構造を把握するための工夫 〜安全なLSC 導入のために〜

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Preoperative evaluation of presacral space by laparoscopic view

この論文をさがす

抄録

<p>骨盤臓器脱(Pelvic Organ Prolapse:POP) の外科治療の一つに腹腔鏡下仙骨腟固定術(Laparoscopicsacrocolpopexy:LSC)があり、当院でも2017 年からLSC を開始した。LSC 手術操作のうち、仙骨岬角レベル前面の後腹膜切開、および前縦靭帯の展開という特有の手技は、他の婦人科腹腔鏡手術では扱われない特有の操作である。岬角前面には、総腸骨動静脈が横断し、また正中仙骨動静脈も縦走し、時には、下大動静脈が岬角まで下降して存在する場合もあるとされる。複雑な血管叢を形成すると共に破格が多く、出血した場合に止血操作は容易でなく注意が必要である。臍部からの視野では、仙骨形態によっては、メッシュ固定の位置が十分に観察できない場合も多く、術前評価が有用と考えた。仙骨岬角にメッシュを固定するLSC では特に、仙骨周囲の血管評価は重要である。当院では、LSC を開始するにあたり、安全で適切なメッシュ固定部位の同定のために、術前に造影CT検査を行い3D-CT 画像を作成、岬角前面の鏡視野での3次元的評価を行っている。鏡視野での角度を再現することで、実際の術野での岬角周囲の血管走行と、メッシュ固定をする無血管野の前縦靭帯の位置が予測可能である。3D-CT を施行した15 例を検討し、岬角前面の無血管領域の面積は、鏡視野3D-CT のほうが、有意に狭いという結果であった。LSC の術前評価として、鏡視野3D-CT の有用性を評価するとともに、画像評価が有用だった1 例を手術画像とともに紹介する。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ