助産師教育における女性の健康・妊娠・出産・授乳と薬理学

書誌事項

タイトル別名
  • Pharmacology education on women’s health, pregnancy, childbirth and breastfeeding in Midwifery education
  • ジョサンシ キョウイク ニ オケル ジョセイ ノ ケンコウ ・ ニンシン ・ シュッサン ・ ジュニュウ ト ヤクリガク

この論文をさがす

抄録

<p>助産師は,個人,家族,コミュニティーにおける性と生殖に関する健康や権利,安寧に責任を持つ専門職である.特に,助産師は女性とパートナーシップを築いて,妊娠,出産,産褥の各期において必要なサポート,ケアおよび助言を行う.助産師は自身の責任において正常な出産を介助し,母乳育児を支援し,新生児および乳児のケアを提供し,女性と子どもの潜在力を最大限に引き出す.また,助産師は,予防的に対応して出産や母乳育児がより順調に進むようにかかわり,合併症を早期に発見し,救急処置を実施し,必要な場合には医療やその他の適切な支援につなげる.女性や母親と子どもに最良のケアを提供するために,助産師は,女性の健康,妊娠,出産,産褥,授乳,新生児に関する生理学的な機能や,生体内のホルモンや神経伝達物質等の機序に関する知識を修得し,正常からの逸脱や障害が起こった場合には,これらの生理機能を補完し支えるための薬物療法や,補完代替療法に関する知識を学ぶことも必要となる.同時に,助産師は,産科救急救命や新生児蘇生に対応できる知識と技能を習得する.開業助産所では,嘱託医との契約において「包括指示書」を取り交わして緊急時に薬剤を使用する場合もある.助産基礎教育においては,これらの状況に対応できるための薬理学の知識や医療処置技術の修得も促している.今回の助産師カリキュラム改正をふまえた新たな助産基礎教育とそれに続く卒後の現任教育において,女性,母親,子ども,家族,コミュニティーを支える個別的で当事者中心の薬理学教育を構築していきたい.</p>

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌

    日本薬理学雑誌 156 (2), 97-102, 2021

    公益社団法人 日本薬理学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ