P-2-D10 連続体位変換式腹臥位装置「コロンパver1、ver2」の開発

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抄録

はじめに 体が大きく、四肢拘縮のある方の背臥位から腹臥位への姿勢変換は、介護者にとって負担が大きい。特にベッド上で腹臥位装置使用を余儀なくされる場合、介助者の身長・筋力が低いと腰痛を起こす可能性がある。ゆとりのない介助は急激な力が加わりやすいため、骨折の危険がある。さらに、仰向けの抱き上げから急にうつぶせにされることで患者はよけいな緊張をたかめてしまうことが多い。これらの問題を解決するには、体に支持基底面が常に接しながらの体位変換、動きのスピードコントロールが容易、効率的で負担が少ない介助、以上の三点を満たす腹臥位装置が必要であると考え、工夫してみたので報告する。 症例1 48歳女性、レット症候群、体重28kg、喉頭気管分離術後、四肢に屈曲拘縮あり、緊張亢進で屈曲強まる。仰臥位の利用者にかぶせた腹臥位マットをゆっくりと連続して転がせるように、マット本体と側面を二分割し着脱可能にした。側臥位からの利用者の持ち上げは、マット側面の取っ手を握る介助者の前腕で行う。これを連続体位変換式腹臥位装置「コロンパver1」とした。 症例2 32歳女性、大脳皮質形成不全、体重34kg,両上肢の動きがすばやい。股関節屈曲拘縮。一側上肢を固定する筒状の箱の上を体幹が越えていく構造。体幹の重みはマットに連結した布で受けて、筒状上肢収納箱を転がしながら体位変換する。これを連続体位変換式腹臥位装置(上肢保護機能付き)「コロンパver2」とした。 結果と考察 病棟職員からは、始めは慣れるのに時間がかかったとの声があがったが、利用者がリラックスしやすい、介助が楽になった、気持の負担が軽くなった、骨折の心配が少なくなった、継続しやすい、などおおむね好評であった。これらの装置は施設での医療ケアを有効に進めていくために必要不可欠な介助方法の均質化とケアの継続性に貢献するものであると考えられた。

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