上位胸椎癒合椎を合併した胸腰椎変性側弯の1例

  • 河村 一郎
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科
  • 冨永 博之
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科
  • 八尋 雄平
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科
  • 徳本 寛人
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科
  • 俵積田 裕紀
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科
  • 谷口 昇
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科

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抄録

<p>上位胸椎癒合椎を起点とした胸腰椎側弯症の成人進行例の1例を報告する.症例は61歳の女性.40歳台時に右肋骨隆起,右肩高位を自覚.53歳時に腰痛認め,前医受診.50歳後半より立位保持時の腰痛を自覚し症状増悪するため,前医受診し,当科紹介となる.T3-4に前後一致の癒合椎,胸椎主カーブ:40度,L3/4に椎間のwedgingを呈し,8年の経過で脊柱変形の進行と腰痛の進行認め,手術を施行した.癒合椎下の8年前の主カーブは軽度であったが,60歳前で40度台まで進行している.癒合椎部を主とした変形進行ではなく,また,いわゆるde novo側弯としては非典型的なカーブであり,経過画像からはT3-4の癒合椎以下の側弯が進行し構築され,腰椎代償が破綻したと考えられる.比較的進行が緩徐な上位胸椎癒合椎であっても,加齢変性が加わり代償性カーブの構築化,破綻する症例はあるため,経過フォローが必要である.</p>

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