自動的持続陽圧呼吸療法(auto continuous positive airway pressure)管理中に脈圧、低呼吸指数が上昇し大動脈弁閉鎖不全が判明した睡眠呼吸障害の 1 例

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  • A case of sleep-disordered breathing with aortic regurgitation due to increased pulse pressure and hypopnea index during auto continuous positive airway pressure treatment

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抄録

<p>CPAP を使用することにより無呼吸、低呼吸を制御できていたにもかかわらず、脈圧と低呼吸指数の上昇を来し、大動脈弁閉鎖不全と診断された比較的まれな睡眠呼吸障害の 1 例を経験したので報告する。症例は 63 歳、男性。昼間の眠気を主訴として受診。簡易無呼吸検査にて無呼吸低呼吸指数が 41.1 であり CPAP を開始した。約4年後より徐々に脈圧と低呼吸指数の上昇を来した。原因は大動脈弁閉鎖不全と、それに伴う左心不全と考えられた。さらに睡眠中に臥床状態となるため、下肢から心臓に戻る静脈還流が増加し、肺がうっ血状態となり、肺における迷走神経を刺激し、過換気反射を誘発した。このため PCO2 が減少し、呼吸を刺激するレベル以下になり呼吸中枢が抑制され、低呼吸が増悪したと考えられた。CPAP 使用中の症例に対して、無呼吸の経過を診るのみではなく、脈圧、低呼吸に変動がないかを慎重に診ていく必要があると考えられた。</p>

収録刊行物

  • 耳鼻と臨床

    耳鼻と臨床 66 (3), 74-78, 2020-05-20

    耳鼻と臨床会

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