頸動脈小体腫瘍摘出術でいかに出血量を減らすか

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タイトル別名
  • Saving of the blood loss during carotid body tumor surgery-efficacy of the preoperative embolization of feeding arteries just before surgery
  • —手術直前の経動脈的栄養動脈塞栓術の有用性について—

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抄録

頸動脈小体腫瘍は非常に血流に富み,摘出術にあたっては術前の腫瘍の占拠部位と栄養血管の把握や,術中出血のコントロールが非常に重要である。我々の施設では,術中の出血の抑制を目的に,全例で術前経動脈的栄養動脈塞栓術を行い,塞栓術終了から3時間以内で腫瘍摘出術を行っている。<br>2013年3月〜2018年12月までに当院で塞栓術後に腫瘍摘出術を行ったのは16回で症例は15例,16腫瘍(両側腫瘍が1例)。男性6例,女性9例で年齢は平均46歳。Shamblin分類Ⅰが1例,Ⅱが15例。手術時間は平均138分,出血量は平均29.3ccであり,他の報告と比較し10分の1程度の出血で手術を行っていた。動脈塞栓術後の合併症は認めなかった。十分な塞栓術と,塞栓術後速やかに手術を行うことが,出血量を減らし安全に手術を行う鍵だと考えている。当院での動脈塞栓の方法や時期,手術方法について解説する。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 47 (1), 5-9, 2021

    日本頭頸部癌学会

参考文献 (9)*注記

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