慢性甲状腺炎に伴う甲状腺肥大が縦隔まで及んだ舌扁平上皮癌両側頸部リンパ節転移の1例

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  • A case of bilateral cervical lymph node metastases in tongue squamous cell carcinoma in which thyroid enlargement associated with chronic thyroiditis extends to the mediastinum

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抄録

今回われわれは,慢性甲状腺炎に伴う甲状腺肥大が頸部から縦隔内まで至った舌扁平上皮癌両側頸部リンパ節転移の1例を経験したのでその概要を報告する。症例;54歳,女性。現病歴;2017年11月中旬頃より右側舌縁部に違和感と腫瘤の形成を認めていたため,2018年1月に当センターを紹介により受診した。現症;右側舌縁部に硬結を伴う潰瘍および腫瘤形成を認め,両側顎下に大豆大のリンパ節を触知した。既往;精神発達遅滞,慢性甲状腺炎。画像所見;CTにて外舌筋や口腔底に浸潤なく,両側頸部に転移を疑うリンパ節を認めた。甲状腺は中咽頭から縦隔まで大きく腫大しており,気管は左方に圧排されていた。舌エコー検査にてDOI:7.8mmであった。処置および経過;右舌扁平上皮癌T2N2cM0の診断にて,右側舌部分切除および両側頸部郭清術を施行した。腫大した甲状腺を認めたため,気管切開は困難であった。気道管理のため術後5日間,抜管せず鎮静および人工呼吸管理とした。術後,両側頸部および舌に対して放射線治療を61Gy施行した。術後2年10か月経過した現在,再発は認めていない。

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