エルシニア感染による腸間膜膿瘍の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of a Mesenteric Abscess Caused by Yersinia Infection
  • エルシニア カンセン ニ ヨル チョウ カンマク ノウヨウ ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

<p>患者は68歳,男性.1週間前からの食思不振を主訴に受診し,CT所見から腸間膜内の膿瘍と診断され入院となった.便培養は陰性だった.エルシニア感染を疑い,セフトリアキソンを使用したが膿瘍の縮小を認めず,第6病日に開腹術を行った.遠位回腸に接する7×8cmの腫瘤を腸間膜内に認め,回腸とともに切除した.病理組織学的検索では,腫瘤は膿瘍と周囲の腫大リンパ節からなっていたが,膿瘍自体にリンパ節組織は存在しなかった.膿汁培養にてYersinia enterocolitica を検出した.エルシニアによる腸間膜内の膿瘍は本症例を含め9例報告されており,うち8例が手術を施行されていた.エルシニア感染症は保存治療が原則だが,腸間膜内に膿瘍形成して薬物治療が奏効しない場合には,外科的治療に踏み切ることが治療期間短縮につながると考えた.</p>

収録刊行物

参考文献 (11)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ