GPMマイクロ波イメージャーの観測に適用された1D Bayesian inversion:感度研究

書誌事項

タイトル別名
  • A 1D Bayesian Inversion Applied to GPM Microwave Imager Observations: Sensitivity Studies
  • A 1D Bayesian Inversion Applied to GPM Microwave Imager Observations : Sensitivity Studies : Special Edition on Global Precipitation Measurement (GPM) : 5th Anniversary

この論文をさがす

抄録

<p> フランス気象局では、「1D-Bay+3D/4D-Var」と呼ばれる手法を用いて、雲域や降水域のマイクロ波観測のデータ同化に関する研究を行っている。この方法は、(i)マイクロ波観測データのBayesian inversionと、(ii)リトリーブされた相対湿度プロファイルの3D/4D-Varによる同化という2つのステップで構成されている。本論文では、Bayesian inversionの推定手法として、加重平均(WA)による推定手法とカーネル密度関数を用いた最尤(ML)推定手法を使用した。この手法の調査の第一段階として観測誤差、チャンネル選択、観測演算子における氷相の水物質の散乱特性といった自由度に対する感度研究を行った。この研究ではGPM主衛星に搭載された全球降水観測計画(GPM)のマイクロ波イメージャー(GMI)による2ヶ月間の観測データと、対流スケールの数値天気予報モデルApplication of Research to Operations at Mesoscale(AROME)の予測結果を利用した。調査対象として選択した気象状況は、AROMEの予測が曇りで観測が晴れの場合と、逆にAROMEの予測が晴れで観測が曇りの場合である。主な結論は以下の通りである。第一に、小さい観測誤差は、観測と高い整合性を持つプロファイルに関係付けられる傾向がある。第2に、リトリーブされたプロファイルの妥当性は、使用したチャンネルセットに依存し鉛直方向に変動する。第3に,放射伝達シミュレーションで使用する放射特性は,大気プロファイルのリトリーバルに強い影響を与える。最後に、ML推定は,観測誤差に依存しないという利点はあるが、考慮するチャンネルが少ない場合にはWA推定よりも拘束性能は小さくなる。今回示した感度解析は、このスキームをデータ同化システムに組み込むことを目的として実施したものであるが、この結果は地球物理学的なリトリーバルとして一般化できる可能性もある。</p>

収録刊行物

  • 気象集誌. 第2輯

    気象集誌. 第2輯 99 (4), 1045-1070, 2021

    公益社団法人 日本気象学会

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (41)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ