門脈本幹内に腫瘍塞栓を形成した胃gastrointestinal stromal tumorの1切除例

  • 笠原 康平
    横浜市立大学大学院医学研究科消化器・腫瘍外科学
  • 小坂 隆司
    横浜市立大学大学院医学研究科消化器・腫瘍外科学
  • 佐藤 渉
    横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター外科
  • 田中 優作
    横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター外科
  • 宮本 洋
    横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター外科
  • 佐藤 圭
    横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター外科
  • 石部 敦士
    横浜市立大学大学院医学研究科消化器・腫瘍外科学
  • 秋山 浩利
    横浜市立大学大学院医学研究科消化器・腫瘍外科学
  • 國崎 主税
    横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター外科
  • 宇髙 直子
    横浜市立大学附属病院病理診断科
  • 藤井 誠志
    横浜市立大学大学院医学研究科分子病理学
  • 遠藤 格
    横浜市立大学大学院医学研究科消化器・腫瘍外科学

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Gastrointestinal Stromal Tumor with a Tumor Embolus in the Portal Vein

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抄録

<p>症例は43歳の男性で,めまいを主訴に近医を受診した.Hb 4.7 g/dlと貧血を認め,上部消化管内視鏡検査で胃体上部に潰瘍出血を伴う粘膜下腫瘤を認めた.組織検査で胃gastrointestinal stromal tumor(以下,GISTと略記)と診断され,加療目的に当科へ紹介された.腹部造影CTで胃壁外に伸展する長径11 cm大の腫瘍と,左胃静脈から脾静脈,門脈本幹に連続する塞栓像を認め,FDG-PET/CTで主病巣にSUVmax 9.9,門脈内にSUVmax 5.6の集積亢進を認めた.門脈内腫瘍塞栓を伴う胃GISTの診断で,胃全摘,膵体尾部切除,脾臓摘出,門脈腫瘍塞栓摘出術を施行した.病理組織学的検査で主病巣,腫瘍塞栓ともに紡錘形細胞の錯綜配列を認め,c-kit,DOG1,CD34が陽性,S-100が陰性であった.門脈血栓に対して溶解治療を行い術後38日目に軽快退院した.外来でイマチニブによる分子標的治療を開始し,術後1年経過して再発なく通院を継続している.</p>

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参考文献 (20)*注記

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