小児期発症神経系疾患を有する患者の小児科から成人診療科への移行 ―知的・運動障害を伴う患者への取り組み―

DOI
  • 大迫 美穂
    東京都立北療育医療センター 内科・脳神経内科
  • 竹内 千仙
    東京都立北療育医療センター 内科・脳神経内科
  • 望月 葉子
    東京都立北療育医療センター 内科・脳神経内科

書誌事項

タイトル別名
  • Transition from pediatric to adult health care in patients with childhood–onset neurological disease : clinical practice for individuals with intellectual and physical disabilities

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抄録

<p>当院の小児科・内科移行カンファレンスを経て移行した22例の診療録とカンファレンス記録を後方視的に調査し,移行後の診療における重要点,移行の利点と問題点,ならびに望ましい移行のありかたを検討した.原疾患は,脳性麻痺17例,Lennox–Gastaut症候群2例,先天奇形症候群,ダウン症候群,自閉スペクトラム症各1例であった.診断の見直し,抗てんかん薬の調整,摂食嚥下機能評価・指導など医療を最適化し,患者・家族への疾患理解や今後の療養方針を考えるべく患者教育を行った.そして,医療ソーシャルワーカー(medical social worker:MSW)と在宅訪問支援看護師の協力を得て地域医療連携を推進し,適切な福祉サービス利用のために社会資源利用の見直しを行った.移行には個別対応が必要で,時間がかかる点が問題であった.小児科医,成人診療科医とMSW,在宅訪問看護師などの多職種による関わりが,移行をより良いものにできる.</p>

収録刊行物

  • 神経治療学

    神経治療学 38 (2), 112-122, 2021

    日本神経治療学会

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