気管挿管・気管切開後に生じた気管狭窄症例の検討

  • 向井 俊之
    東京大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 竹田綜合病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 後藤 多嘉緒
    東京大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 佐藤 拓
    東京大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 上羽 瑠美
    東京大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 二藤 隆春
    東京大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 埼玉医科大学総合医療センター 耳鼻咽喉科

書誌事項

タイトル別名
  • A Clinical Study of Tracheal Stenosis Following Tracheal Intubation or Tracheostomy
  • キカンソウカン ・ キカン セッカイ ゴ ニ ショウジタ キカン キョウサク ショウレイ ノ ケントウ

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抄録

<p>気管狭窄症は比較的稀な疾患であるため,各施設で取り扱う症例数が少なく,治療法が十分に検討されていない。今回,われわれは気管挿管後または気管切開後に発症した気管狭窄症8例の臨床経過を検討した。3例が気管挿管後,2例が気管切開後,3例が両者の後に気管狭窄をきたしていた。軟部組織により内腔が狭窄しているものを瘢痕型,気管軟骨が内陥しているものを軟骨内陥型に分類した。軽症の3例でステロイドによる保存的治療を行い,2例で病態の改善が得られた。瘢痕型の4例でトラフ法による気管形成術を施行し,粘膜移植を行わなかった3例で,ステントとして2カ月以上T-tubeを留置し内腔の拡大が得られた。軟骨内陥型の2例で枠組みの整復を行い,1例はスピーチカニューレをステントとして用い,1例は一期的に気管孔を閉鎖した。気管狭窄症は原因や発症時期により病態が異なるため,症例に応じて適切な治療法を選択することが重要である。</p>

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参考文献 (13)*注記

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