モンテカルロ木探索によるユーザ個人の嗜好を考慮した経路推薦手法とその評価

抄録

スマートフォン,タブレットの普及によって,経路推薦・案内サービスは一般的なものとなった.従来のインターネット上で提供されてきた経路推薦・案内サービスでは,経路長・所要時間・料金の点で最適化した経路を推薦するサービスが主流である.これらのサービスでは異なるユーザでも同一の経路が推薦されることになるが,各ユーザは安全性や快適性の面から多種多様な嗜好を有している.ユーザ個人の嗜好を経路推薦に反映させ,そのユーザ好みの経路を推薦することが強く望まれる.一方で,ユーザ個人の嗜好は極めて曖昧で複雑なため,その評価が困難であるといった課題がある.本稿では,モンテカルロ木探索をベースにユーザ個人の嗜好を考慮した経路推薦手法 (P-UCT手法) を提案する.提案手法では,まず初めに,ユーザの経路推薦履歴から特徴量を抽出し,Support Vector Machine (SVM)で評価器を作成する.その後,モンテカルロ木探索で出発地点から目的地点までのランダムな経路を生成して,それらの経路がどの程度ユーザの嗜好に適合しているかを評価器によって判断する.このランダム経路の生成・評価を繰り返し実施することで,最終的に,ユーザの嗜好に最も近いと評価された経路が出力される.実験の結果,既存手法と比較して,提案手法が推薦した経路の平均評価点が上回る結果となった.

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  • CRID
    1050855522065496320
  • NII論文ID
    170000181388
  • Web Site
    http://id.nii.ac.jp/1001/00202298/
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    conference paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

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