冬期のAlaskan Streamの相対輸送

  • 大谷 清隆
    Laboratory of Oceanography and Meteorology Faculty of Fisheries, Hokkaido University

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  • Relative Transport in the Alaskan Stream in Winter

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抄録

1966年工月末から3. 月にかけて, 北太平洋西部亜寒帯水域における初の冬期の海洋観測がArgo号とKelez号によって広範囲に行なわれた. この資料に基づいてこの海域の海況と, サケマス漁場形成に密接に関与し且つ亜寒帯環流唯一の西向流であるAlaskan Streamの冬期の流量, 拡がり, 他海流との連続性等について検討をした.Alaskan treamは夏期に認められているように170°Eまで連続していて, 流量も165°Wで8×106m3/secであって, 夏期に推算されている318×106m3/secに比較してやや大きいが測点間隔等を考慮すると夏期とほとんど同程度といえよう.この西向流はAmchitka水道とAttu島西側の海峡を通ってBering海に流入している.50°N, 165°E付近のKomadorskiRidgeの西側にはこれより分離した孤立暖水塊があって時計回りめ環流をなしている.<BR>Kamchatka半島沿いに低温且つ低塩分な水の堆積が顕著にみられ, 沖合の地点の表面水に相当する水がおよそ. 500m深前後に沈降してみられる.これらの南西流の流量は15×106m3/secであるが, その一部は小環流をなして北上するらしく, 51°Nでは9×106m3/secである. この一部は45°N, 155°E付近で東に流れるが大部分はOkhもtsk海から流出する水と混合しながら千島列島沿いに南西流し42°N, 148°Eまで達している。風の季節変化による海流の変化は局地的変化に限られ, 環流のパターンは夏期と同様である.

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