尿中にM蛋自を証明し両側脳幹部の出血性梗塞で死亡した非定型骨髄腫の1剖検例

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タイトル別名
  • An Atypical Myeloma who died of Hemorrhagic Infarction of Bilateral Diencephalon and Corpus Striatum with Excretion of Urinary M Protein. An Autopsy Case
  • ニョウチュウ ニ M タンパク オ ショウメイシタ リョウソク ノウカンブ ノ

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抄録

我々は多発性骨髄腫の1例を経験したのでその剖検所見とともに報告する. 患者は63才, 男性で高度の貧血で入院. 骨髄穿刺で異型形質細胞を86%に認めた. 血清M蛋白は繰り返し検査しても陰性で, 高度の尿蛋白を排泄し, セルロース・アセテート膜電気泳動ではγ領域にピークを持つM蛋白であつた. その抗原性はIg-G, Kappa型であり, Bence-Jones蛋白は陰性だつた. 骨レ線像で頭蓋骨と骨盤骨にpunched out像を認めた. 当症例は血清中にM蛋白を認めず非定型骨髄腫と思われる. 腎障害はほとんどなく, 身体痛も訴えなかつた. 治療中, 急に脳卒中発作を起し急逝した. 剖検により死因は両側脳幹部の出血性梗塞で視床, 視床下部, 尾状核, 被殻, 淡蒼球に及んだ. 腰椎, 大腿骨骨髄は外見がゼリー状の細胞集塊であつた. 両側脳幹部の病変は, 一般に骨髄腫患者の血漿にみられるHyperviscosityに起因すると思われた.

収録刊行物

  • 医療

    医療 33 (7), 690-694, 1979

    一般社団法人 国立医療学会

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