Non-O1 <I>Vibrio cholerae</I>の分布 (1976-1981) およびその毒素産生性について

書誌事項

タイトル別名
  • Occurrence and Distribution of non-01 <I>Vibrio</I> cholerae and its Enterotoxigenicity (Six years study)
  • Non-O1 Vibrio choleraeの分布(1976-1981)およびその毒素産生性について
  • Non-O1 Vibrio cholerae ノ ブンプ 1976 - 198
  • Occurrence and Distribution of non-01 Vibrio cholerae and its Enterotoxigenicity (Six years study)

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抄録

1976-1981年の6年間に世界各地から収集したnon-O1 Vibrio choleraeの分布を把握するため, 3,598株について血清型別を行ない, あわせてそれらの毒素産生性も検討した.3,598株中645株はコレラ様症状を含む下痢患者およびその接触者, 645株は魚介類, 残りの2,308株は河川水, 海水およびトリからの分離菌で, それらはいずれも7.chole7aeの定義に一致する性状を示し, すべて同一の且抗原を有していた.これらの菌株はR型の162株および型別不明の206株を除き82血清型に分けられ, その血清型分布には地域および由来による明らかな相違は認められなかったが, 集団事例由来菌株の血清型がそれぞれの事例において同一であったことから, 本菌の血清型別の疫学的意義が示唆された.すでに本菌は世界各国の河川に常在しており, それらの汚染は必然的に魚介類への汚染につながるものと思われる.今後, non-O1 Vibrio choleraeによる下痢症は食品衛生上留意すべき新しい課題となろう.<BR>コレラ菌335株を含むV.cholerwae809株の毒素原性を検査したところ, ヒト由来コレラ菌の71%がコレラ様毒素を産生したが, 魚介類および環境由来株では約30%にしか検出できず, またnon-01 V.choleraeではヒト由来の16%, その他由来の17%にコレラ様毒素が証明された.これらの毒素はすべて抗コレラ毒素血清で中和された.なお, 毒素産生性と血清型との間には相関関係が認められなかった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 56 (11), 1017-1024, 1982

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (2)*注記

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