対流圏オゾンの季節変化:日本における夏期極小

  • 小川 利紘
    東京大学理学部地球物理研究施設
  • 宮田 明
    東京大学理学部地球物理研究施設 北海道農業試験場

書誌事項

タイトル別名
  • Seasonal Variation of the Tropospheric Ozone : A Summer Minimum in Japan
  • タイリュウケン オゾン ノ キセツ ヘンカ ニホン ニ オケル カキ

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抄録

日本の大気環境モニタリング網のうち,非都市域の測定点数ヶ所のデータは,地表における対流圏オゾンを表現するのに有効である。これらのデータと,札幌,館野,鹿児島のオゾンゾンデのデータを用いて,対流圏オゾンの季節変化を調べた。その結果は,春の極大だけでなく夏の極小という規則的な型を示している。春の極大は,北アメリカやヨーロッパでよく見られているもので,中緯度対流圏オゾンに共通して見られる特徴である。夏の極小は,光化学反応によるオゾン生成が対流圏オゾンを支配する主要因ではないことを示唆している。夏の極小の原因は,成層圏からのオゾン輸送が弱まることに帰せられるが,これは熱帯性海洋気団が夏期日本上空にまで張り出していることと関連がある。

収録刊行物

  • 気象集誌. 第2輯

    気象集誌. 第2輯 63 (5), 937-946, 1985

    公益社団法人 日本気象学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (13)*注記

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