熱帯域海面水温の昇温化と北半球大気大循環に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Recent Warming of Tropical Sea Surface Temperature and Its Relationship to the Northern Hemisphere Circulation
  • 熱帯域海面水温の昇温化と北半球大気大循環に及ぼす影響〔英文〕
  • ネッタイイキ カイメン スイオン ノ ショウオンカ ト キタハンキュウ タイキ

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抄録

全球海面水温データを用いて、年~数十年規模の変動について調べた。その結果、中•東部太平洋および インド洋を中心とした熱帯域で、1970年代後半以降、海面水温が上昇している事がわかった。20°N~20°Sの熱帯域全域で平均した海面水温は1970年代と比べ、1980年代では約0.3°C~0.4°C上昇している。<br>OLRを用いた解析で、海面水温の上昇に対応して、熱帯域の対流活動が活発化していることがわかった。熱帯域東西循環の指標である南方振動指数もこの10年負の傾向が持続している。<br>大気の方では、1980年代に入って、冬期、太平洋一北アメリカ(PNA)パターンが顕著に現れるようになった。特に、北太平洋の500mb高度が著しく低下している。これらの大気の変動は、熱帯の海面水温の昇温化に伴う対流活動の活発化によって生じたものと考えられる。

収録刊行物

  • 気象集誌. 第2輯

    気象集誌. 第2輯 67 (3), 375-383, 1989

    公益社団法人 日本気象学会

被引用文献 (118)*注記

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参考文献 (15)*注記

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