夏季アジアモンスーン期における季節内変動の季節位相固定

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タイトル別名
  • Seasonal Phase Lock of Intraseasonal Variation during the Asian Summer Monsoon
  • 夏季アジアモンスーン期における季節内変動の季節位相固定〔英文〕
  • カキ アジア モンスーンキ ニ オケル キセツナイ ヘンドウ ノ キセツ イソ

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抄録

10年間の客観解析データセット及び12年間の外向き長波放射データから計算した気候平均日別値を用いて、夏季アジアモンスーン活動が30-60日の周期で断続的に強まって起きていることが調べられた。とりわけ本研究では季節内変動が季節的にその位相を固定していることについて記述する。北半球の夏の時期は、対流活動及び対流圏下部のモンスーン西風の強化は、インド洋においては、6月上旬及び7月中旬に北緯10度に沿って起きており、また西太平洋においては、6月中旬および7月下旬から8月上旬にかけて起きている。このような強化は、赤道インド洋においても、5月下旬と7月中旬に起きている。第1回目のインド洋での5月下旬から6月上旬の強化は、南インドや南日本で6月1日に起きる気候的に見たモンスーン入りに対応している。西太平洋で7月下旬に起きる第2回目の強化はやや突発的な変化を伴っている。低緯度でのモンスーン西風は突然西太平洋の東経150度まで延びる。亜熱帯西太平洋域への西風の侵入は7月中旬にアラビア海及び赤道インド洋にあった季節内変動の東進と関連している。亜熱帯西太平洋での西風は西太平洋では低気圧性循環を、また日本付近では高気圧性循環をもたらし、その結果梅雨明けと日本の夏季を到来させている。

収録刊行物

  • 気象集誌. 第2輯

    気象集誌. 第2輯 70 (1B), 597-611, 1992

    公益社団法人 日本気象学会

被引用文献 (30)*注記

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参考文献 (20)*注記

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