ウ蝕象牙質の連続的変化に関する光学ならびに電子顕微鏡による研究

  • 清水 チエ
    東京医科歯科大学歯学部第1歯科保存学教室 東京医科歯科大学歯学部口腔解剖学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Carious Change of Dentin Observed on Continuous Sections Using Optical and Electron Microscopes
  • ウ ショク ゾウゲシツ ノ レンゾクテキ ヘンカ ニ カンスル コウガク ナラ

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抄録

ウ蝕象牙質が正常層から第2層を経て第1層に変化する過程を, 各種の染色を施した切片の光学顕微鏡観察と, ウ蝕表面から髄腔壁までを一塊として切り出した試料の超薄切片の電子顕微鏡観察とによって検討し, 下記の知見を得た。<BR>1.正常層とウ蝕象牙質の第1層と第2層との間には明らかに染色性の差があり, 第2層では深部から中部・浅部へと徐々に連続的な変化が起こっていたが, 第1層ではさらに重要な変化が起こっていた。<BR>2.電子顕微鏡で観察すると, 第2層では深部から浅部に行くに従って基質線維や付着結晶の配列が徐々に不明瞭になり, 溶解による結晶の変形縮小が進んでいたが, 第1層ではそれらの固有の配列が認められなくなり, 顆粒状に縮小変形した微結晶が基質線維から離れて不規則に分散していた。<BR>3.細菌は第1層のみに認められ, 他には認められなかった。細管腔内には第2層の深部で一部に結晶沈着が起こったが, 中部・浅部ではだんだんと減少し, 第1層では消失していた。しかし第1層では形の異なった結晶が稀に現れていた。

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被引用文献 (5)*注記

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