橋本病および糖尿病を合併したPSSの1例

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タイトル別名
  • A Case of PSS with Hashimoto’s Disease and Diabetes Mellitus
  • ハシモトビョウ オヨビ トウニョウビョウ オ ガッペイシタ PSS ノ 1レイ

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抄録

41才女性。38才時甲状腺腫と尿糖を指摘された。翌年手指のレイノー症状が出現し, その後手指と前腕の硬化に気づき, 徐々に躯幹にもおよんできたので来院。手指の屈曲位拘縮, 小潰瘍, 硬化, 上口唇が突出し, 鼻唇溝の消失した仮面様顔貌からPSSと臨床的に診断された。高血糖および糖負荷試験でdiabetic patternを示す糖尿病と診断され, thyroid test陽性, T3正常, T4やや低値, TSHは上昇, シンチグラムでは甲状腺腫があり橋本病も合併していることが判明した。尿中のムコ多糖をCPC沈澱により定量したところ, 正常より増加しているが, Dowex 1×2による分画では, 治療(PCPG-AANおよびPLP)前後にその差はみられなかつた。本療法で一時皮膚の硬化は軽減されたかに見えたが, なお現在肺の拘束性換気障害は進行している。PSSと橋本病の合併例の報告は少なく, 免疫学的異常所見と皮膚硬化の関連について考察した。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 45 (3), 377-382, 1983

    日本皮膚科学会西部支部

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (12)*注記

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