放牧牛に集団発生した牛コクシジウム病に対するサルファ剤の治療効果と増体に及ぼす影響

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  • Therapeutic Effect and Influence on Body Weight of a Sulfa Drug on Grazing Cows with Coccidiosis
  • ホウボク ウシ ニ シュウダン ハッセイシタ ウシ コクシジウムビョウ ニ タ

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抄録

1985年5月, 入牧後9日目よりホルスタイン種の放牧育成牛に, 下痢と血便を主徴とする症患が集団発生した. この間の発症頭数は8~13ヵ月齢未満の育成牛26頭中20頭 (77%), 13ヵ月齢以上の育成牛群24頭中1頭 (4%) であった.<BR>これらの牛について糞便検査を実施したところ, 検査した10頭全例からEimeria zuerniiのものと考えられるオーシストが検出され, 重症牛のOPGは3.8×104であった. 牛コロナウイルス, BVD・MDウイルス, サルモネラ菌などの関与はみられなかった. 以上のことより, 本症例はE. zuerniiを主体とする牛コクシジウム病と診断された.<BR>スルファモノメトキシンを主剤とした治療により, 軽症牛は1~3回, 重症牛は4~9回の投薬で治癒した.<BR>さらに, 治療後の増体量の推移を調査したところ, 重症牛群では約1ヵ月間ほとんど増体せず, 3ヵ月後でも発症牛の増体量は対照とした非発症より著しく低かった. この傾向は重症群でより明らかであった. しかし, 発症牛でも4ヵ月後からはよく増体し正常な発育を示すようになった.

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