新生子豚の尿路系尿酸塩結石症の病理学的および血液生化学的所見

• 柿野 淳

  秋田県中央家畜保健衛生所

• 志村 統

  秋田県中央家畜保健衛生所

• 柿崎 正博

  秋田県南部家畜保健衛生所

• 牧 富男

  秋田県北部家畜保健衛生所

書誌事項

タイトル別名

• Pathological and Blood Biochemical Findings on Uric Acid Lithiasis of the Urinary Tract in Newborn Piglets
• シンセイ コブタ ノ ニョウロケイ ニョウサンエン ケッセキショウ ノ ビョウ

抄録

新生子豚の尿路系尿酸塩結石症の成因を明らかにするため, 冬期の健康な新生子豚28頭と新生虚弱子豚21頭について検査した.<BR>臨床検査では新生虚弱子豚21頭中10頭に黄色下痢がみられた. 剖検では8頭に淡桃色微細顆粒状の結石が腎錐体, 腎乳頭に認められ, 5頭に腎臓の点状出血, 水腫, 肝臓の退色等の異常が認められた. 病理組織学的検査は肝臓, 腎臓, 胸骨髄脾臓について実施した. 結石は尿細管腔内に尿細管を閉ざすことなく認められ, 特殊染色 (Saint-Hilaire法) により結石は尿酸塩結石と確認した. しかし, 尿酸塩結石と病理組織学的異常との関連性は認められなかった.<BR>生化学的検査で新生虚弱子豚は血清アルブミンの低値, GOT, GPT, クレアチニン, BUN, 尿酸, 乳酸, 無機リンの高値がみられ, また生後1週間において血清総蛋白質および肝臓中ウリカーゼの低値が認められた.<BR>以上のことから, 新生虚弱子豚の尿路系尿酸塩結石は肝臓機能の低下, 肝臓中のウリカーゼの低値, アシドーシス, 腎臓機能の低下, 低栄養に伴う体蛋白の異化充進等新生子豚期特有の要因と下痢および寒冷感作等の悪条件が相互に関連し形成されるものと考えられた.

収録刊行物

• 日本獣医師会雑誌

  日本獣医師会雑誌 44 (4), 319-323, 1991

  公益社団法人 日本獣医師会

キーワード

• 病理学
• 血液生化学
• 尿酸塩結石症
• 新生子豚

詳細情報

• CRID: 1390282679684630272
• NII論文ID: 130004051364
• NII書誌ID: AN00191857
• DOI: 10.12935/jvma1951.44.319
• COI: 1:CAS:528:DyaK3MXltlegtLc%3D
• ISSN: 21860211
• ISSN: 04466454
• ISSN: http://id.crossref.org/issn/87507943
• NDL書誌ID: 3723239
• Web Site: https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010430975
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I3723239
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/1993245301
• データソース種別:
  • JaLC
  • IRDB
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可