虚構の永久機関 : 金井美恵子「兎」と<幻想>の論理

書誌事項

タイトル別名
  • The Eternal Machine of Fiction : Mieko Kanai's Usagi and the Logic of "Fantasy"
  • キョコウ ノ エイキュウ キカン カナイ ミエコ ウサギ ト ゲンソウ ノ ロ

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抄録

<書くこと>について書くことを一貫して課題としてきた金井美恵子の言説は、文芸の根幹をなす虚構についての原則論的な追求を核心としている。発条を失った私小説的風土にあって、虚構についての究極の洞察を示す金井の文芸様式は、虚構を論ずる際に決して避けて通ることができない。本稿は、初期の短編「兎」(一九七二・六)の<額縁構造>を焦点とし、虚構を<読むこと>へとシフトしつつ、金井文芸を論じたものである。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 41 (2), 33-42, 1992

    日本文学協会

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