術後急性胆嚢炎

書誌事項

タイトル別名
  • POSTOPERATIVE ACUTE CHOLECYSTITIS
  • ジュツゴ キュウセイ タンノウエン ホンポウ ホウコク 49レイ ノ リンショ
  • CLINICAL STUDY OF 49 CASES REPORTED IN JAPAN
  • 本邦報告49例の臨床的検討

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抄録

非胆道系手術の術後に併発する急性胆嚢炎は重篤な腹部合併症であるが,報告例も少なく臨床像および病態に関して不明な点が多い.我々は過去11年間に本症の4例を経験したので,本邦報告45例を合せて検討し本症の特殊性を明らかにした.<br>自験例は31~71歳,男女比は3:1,胃癌2例,直腸癌1例,褐色細胞腫1例の根治術後9日, 5日, 16日, 5日目に本症を併発し, 2例は保存的療法にて軽快し, 2例は外胆嚢瘻を造設したが死亡した.外科的療法の2例は壊疸性胆嚢炎で1例に胆汁漏出を認めた.胆道疾患の既往はなく, 3例は無石胆嚢炎であった.<br>49例の臨床的検討によると, (1) 50~60歳代,男性,胃癌術後,比較的早期に好発, (2) 胆道疾患既往がなく無石例が多い, (3) 臨床経過は急激で壊疽性胆嚢炎である, (4) 予後は悪く高齢者ほど死亡率は高い, (5) 本症の成因として細菌感染,胆汁うっ滞および血行障害が考えられる.<br>以上より本症は一般の急性胆嚢炎から区別すべきであり,術後管理における本症の理解と併発後の積極的療法の必要性を強調した.

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