肝癌の疑われた後腹膜paragangliomaの1治験例

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タイトル別名
  • NON-FUNCTIONING RETROPERITONEAL PARAGANGLIOMA -A CASE REPORT, DIAGNOSED AS HEPATOMA PREOPERATIVELY-
  • カンガン ノ ウタガワレタ コウフクマク paraganglioma ノ 1

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抄録

症例. 66歳,男子,右季肋下に約8cmにおよぶ表面平滑な腫瘤をふれ,腹部血管造影で総肝動脈,固有肝動脈,門脈は弧状に左方へ圧排され,肝右葉下部には右肝動脈,胆のう動脈の分布と右腎動脈の被膜の血管分布をみる比較的血管に富む腫瘤陰影を認め,術前肝癌と考えて手術を施行し, 1,300gの後腹膜腫瘍を摘除した.術前に特異な症状なく組織学的にparagangliomaと診断された.術後3年3ヵ月の現在健在である.<br>後腹膜paragangliomaは稀な疾患であり,内外報告例を集計した.<br>外国例29例,本邦9例で平均年齢は40歳前後,男女差なく,術前にparagangliomaと診断された症例は内外ともに1例もない.一般に腹部腫瘤か腹痛により気付き,病悩期間は平均2~3年と長い.腫瘤の大きさは直径約10cm前後で血管に富み易出血性で悪性のこともある.抗癌剤,放射線治療が無効であるため,治療としては積極的に摘除することが望ましい.

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