特発性内胆汁瘻

書誌事項

タイトル別名
  • SPONTANEOUS INTERNAL BILIARY FISTULA
  • トクハツセイナイ タンジュウ ロウ ジケンレイ 23レイ オ フクメ タ ホン
  • REPORT OF TWENTY-THREE CASES AND REVIEW OF THE LITERATURE
  • 自験例23例を含めた本邦症例の集計と文献的考察

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抄録

我々が過去7年6カ月の間に経験した内胆汁瘻23例について種々の面から検討した.<br> 発生頻度は胆道系手術例の2.1%にあたり,原因疾患では大部分が胆石症によるものであり,総胆管結石が高頻度(67%)に存在した.内瘻の種類は胆嚢十二指腸瘻が13例(57%)と最も多く,性差では胆石症における性差と相反し,男性に多い傾向であった.病悩期間は平均4年1カ月,症状としては内瘻形成に基づく特有なものは認められなかったが,他覚的所見としてのpneumobilia及び上部消化管透視時の造影剤の胆道内流入が特徴的であった.診断には上記レ線所見が有力な手段となり得たが,通常の経口あるいは経静脈性胆道造影は無力に等しく,内視鏡, ERCP, PTCによる診断能が比較的低率で,術前の正診率は35% (8例)に過ぎなかった.しかし,総胆管十二指腸瘻では, pneumobilia及び造影剤の胆道内流入がよく認められ,正診率が高い傾向にあった.治療法は,胆嚢摘出術に加えて瘻孔閉鎖術を施行した症例が最も多く,手術死亡例はなかった.<br> 以上の成績を我々が集計し得た本邦報告例並びに欧米報告例と比較検討し,本病態の発生頻度,原因,種類,性差,病悩期間,症状,診断法,治療法などに関し,若干の文献的考察を試みた.

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