急性未分化型白血病acute undifferentiated leukemia (AUL)の診断と治療に関する検討

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タイトル別名
  • Acute Undifferentiated Leukemia from the Viewpoints of Diagnosis and Therapy
  • キュウセイ ミブンカガタ ハッケツビョウ acute undifferent

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抄録

myeloperoxidase (MPO)およびSudan Black B陽性率が3%未満,esterase染色陰性,リンパ球系,巨核球系,赤芽球系の表面マーカ陰性,電顕のplatelet peroxidase陰性の急性白血病(AL)を急性未分化型白血病(AUL)と診断し,骨髄系表面マーカー(CD13, CD33), 電顕MPO (EMMPO), 免疫グロブリン重鎖およびT細胞受容体のDNA解析,化学療法とその反応性を検討した。ALの239例の内10例(4.2%)がAULで,その内CD13もしくはCD33陽性のAML-MO (MO)症例は9例であった。EMMPOは9例検討し,4例(44%)陽性で,MOの3例にDNA解析を施行し,1例に免疫グロブリン重鎖の再構成を,1例にT細胞受容体β鎖の再構成を認めた。AMLベースの化学療法をMOの6例に行い完全寛解(CR) 1例,部分寛解(PR) 1例でいずれもリンパ系の遺伝子型を持っていた。無効(NR)の4例中3例はEMMPO陽性であった。ALLベースの化学療法を2例に行いCR 1例,NR 1例で,CR例はEMMPO陽性のMOであった。behenoyl cytosine arabinoside, VP-16, mitoxantroneによるBHAC-EM療法はAMLベース,ALLベースいずれの導入療法にもNR症例で,2例中2例ともCRとなった。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 33 (9), 1136-1143, 1992

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (2)*注記

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