亜高山帯・高山帯を通過する車道周辺の植物相および植物生態に関する研究

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  • アコウザンタイ コウザンタイ オ ツウカ スル シャドウ シュウヘン ノ ショクブツソウ オヨビ ショクブツ セイタイ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

乗鞍岳畳平(2700m)付近までの長野県側を通る車道の開通後,車道建設による植生の直接的な破壊のほか,車道開設の間接的影響により,車道沿いの植物分布,植物群落に変化が生じることが予見され,車道開設後約10年を経た1973年前後以降,こうした車道開設を中心とした人為的環境変化が高山帯の生物環境にもたらす変化に関する研究が先駆的に行われてきた.これらの研究については,その後追跡的な調査がなされておらず,現在にいたる車道沿いの植物分布,生態に関する変化は明らかではない.そこで本研究では,車道沿いの低地性植物の侵入とハイマツの年枝の伸長成長量の推移に関する調査を行い,既存研究との比較により現状把握を行った.車道沿いの亜高山帯,高山帯への低地性植物の侵入は,過去の調査時に比較して出現種数,分布高度において進行していたことが明らかとなった.ハイマツの年枝成長の推移では,車道開設後に報告された車道際の山側と谷側における伸長成長量の差異が現在も生じていることが確認された.

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