葉緑体rbcL遺伝子の大データセットに基づく蘚類の目の系統関係

書誌事項

タイトル別名
  • Molecular phylogenetic and ordinal relationships based on analyses of a large-scale data set of 600 rbcL sequences of mosses
  • Molecular phylogenetics and ordinal relationships based on analyses of a large-scale data set of 600 rbcL sequences of mosses

この論文をさがす

抄録

蘚類全体,とくに目の関係について,葉緑体rbcL遺伝子601配列を含む大データセットに基づき系統解析を行った.解析の結果以下のことが明らかになった.(1)ミズゴケ目が蘚類の中でもっとも基部に位置した.(2)クロマゴケ目が他の蘚類と姉妹群になり,さらにクロゴケ目とヨツバゴケ目,スギゴケ目,イシヅチゴケ科の含まれるクレードが基部に位置し,蘚綱と姉妹群になった.(3)蘚綱の中では,キセルゴケ科がイクビゴケ科と単系統群にならず,もっとも基部に位置し,イクビゴケ科は有関節蒴歯蘚類と姉妹群となった.(4)有関節蒴歯蘚類の中では,クサスギゴケ科とハイツボゴケ科がもっとも基部に位置し,ヒョウタンゴケ目とヤリカツギ目からなるクレードが,単列蒴歯蘚類と互生型複列蒴歯蘚類からなるクレードと姉妹群になった.(5)シッポゴケ亜綱(単列蒴歯蘚類群)にはギボウシゴケ目とツチゴケ目,シッポゴケ目,センボンゴケ目が含まれた.(6)マゴケ亜綱(互生型複列蒴歯蘚類)ではタマゴケ科が基部に位置し,次にヒジキゴケ科が続き,他の複列蒴歯蘚類と姉妹群になった.(7)ヒノキゴケ目とオオツボゴケ目,タチヒダゴケ目からなるクレードがマゴケ目とアブラゴケ目,ハイゴケ目からなるクレードと姉妹群になった.対生型複列蒴歯はマゴケ亜綱とシッポゴケ亜綱に対して祖先的であることが示唆された.

収録刊行物

  • ヒコビア

    ヒコビア 14 (2), 149-169, 2004-12-24

    ヒコビア会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ