原麦全β-アミラーゼ活性による高ジアスターゼ力系統選抜方法の開発

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  • ゲンバク ゼン ベータ アミラーゼ カッセイ ニ ヨル コウジアスターゼリョク ケイトウ センバツ ホウホウ ノ カイハツ

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抄録

原麦で麦芽ジアスターゼ力の高い系統の選抜を可能にするために原麦中のβ-アミラーゼ活性と麦芽ジアスターゼ力との関係を調査した。さらに、実際に高ジアスターゼ力系統選抜の可能性を検討した。ミカモゴールデン/Harringonの交配から作出したDH(半数体倍加)系統では、原麦中のβ-アミラーゼを還元剤処理して測定した全β-アミラーゼ活性と、麦芽のジアスターゼ力との間でβ-アミラーゼの遺伝子型にかかわらず高い相関があることが確認された。酵素抽出液の組成を改良し、原麦全β-アミラーゼ活性分析の自動化を行った。原麦全β-アミラーゼ活性と麦芽ジアスターゼ力との間で供試した4組合せのうち2組合せで高い相関が得られた。相関の見られない組合せも存在し、原麦全β-アミラーゼ活性で選抜が可能な組合せが限定されることが示唆された。極高β-アミラーゼ活性を持つ系統を交配親に持つ系統群のF4およびF5における原麦全β-アミラーゼ活性の世代間相関は高く、原麦全β-アミラーゼ活性が高い系統は麦芽ジアスターゼ力も高いことが確認された。以上のことから、原麦を還元剤処理することで簡易に全β-アミラーゼ活性を測定することが可能になった。その結果、原麦全β-アミラーゼ活性に関する遺伝資源の探索および全β-アミラーゼ活性の極高もしくは極低の系統を交配親に持つ系統の選抜が種子段階で可能になった。

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