第3次フードレジームにおける世界の野菜・果物貿易の空間流動

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タイトル別名
  • Global Flows of Fruit and Vegetables in the Third Food Regime

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抄録

本稿は、FAOの統計を利用してQモード因子分析によって、世界の野菜・果物貿易の空間流動パターンを検出した。欧米の地理学や社会学において、野菜や果物が農業貿易の中で重要性を増しており、発展途上国から先進国への流動が強調されてきた。本研究はこのような傾向を統計的に確認するとともに、世界の野菜・果物流動は必ずしも南北貿易が主流ではなく、他の貿易パターンに着目することも重要であることを指摘した。量的にはヨーロッパを中心に、先進国内の流動が圧倒的であり、豆類やナッツ類などは、東南アジアやインド亜大陸など発展途上国間で大量に流動している。したがって、現在の第3次フードレジームの下で、世界の野菜・果物貿易は多極化しつつあるといえる。

収録刊行物

  • 農村研究

    農村研究 (102), 25-41, 2006-03

    東京 : 食料・農業・農村経済学会

被引用文献 (1)*注記

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