肉用牛の育成期の放牧が肥育成績に及ぼす影響

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  • ニクヨウギュウ ノ イクセイキ ノ ホウボク ガ ヒイク セイセキ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

肉用牛の育成期の飼養方法の違いが肥育成績に及ぼす影響を調査するため、3ヶ月離乳した同一種雄牛の黒毛和種雌牛を供試牛とし、試験区として放牧区、対照区に舎飼区を設定し、10ヶ月齢までの育成期の成績を調査後、11ヶ月齢から30ヶ月齢まで同一牛舎で同じ飼養管理により肥育成績を調査した。育成試験終了時の1日当り増体量は放牧区0.91kg、舎飼区0.85kgで、体重、体高、十字部高、胸囲、胸深、尻長、腰角幅、かん幅、坐骨幅において放牧区が舎飼区を上回ったが、いずれの項目も両区に有意差は認められなった。歩数計を用いて運動量を調査した結果、1日当たりの平均歩数は放牧区が舎飼区を上回ったが、両区に有意差は認められなかった。肥育試験終了時の1日当り増体量は放牧区0.70kg、舎飼区0.62kgで、体重、体高、胸囲の全ての部位において放牧区が舎飼区を上回ったが、いずれの項目も両区に有意差は認められなかった。枝肉成績は枝肉重量、胸最長筋面積、ばらの厚さ、BMSNo.、脂肪交雑等級、肉色、脂肪色すべての項目で放牧区が舎飼区を上回ったが、有意差は認められなかった。以上の結果から、有意差は認められなかったものの、放牧育成された雌牛は舎飼育成された雌牛と比較して、育成終了時(子牛市場出荷時)までの発育の改善と、肥育における産肉性と肉質向上の可能性が示唆された。

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