矢作川流域の森林土壌における窒素無機化特性 : 森林タイプによる比較

書誌事項

タイトル別名
  • Variation in nitrogen status indices among forest types within the Yahagi River watershed, central Japan

この論文をさがす

抄録

本報では矢作川流域に分布する主要な3種類の森林タイプ(天然林・針葉樹人工林・二次林)における鉱質表層土壌(0-5cm)の窒素無機化に関する指標を、窒素循環に関係する土壌の理化学的特性値と併せて報告する。記載した窒素無機化に関する指標は、全窒素含有率、無機態窒素現存量、アンモニア態窒素現存量、硝酸態窒素現存量、室内培養法で測定した窒素無機化ポテンシャル、アンモニア態窒素生成ポテンシャル、硝化ポテンシャルの7項目である。室内培養においては一般的な培養条件である30℃恒温条件下における4週間の培養とした。加えて、窒素動態研究の基礎的データベースとするため、付帯資料として土壌採取地の地勢的特性を記載した。窒素無機化に関する指標は天然林、針葉樹人工林、二次林の順に大きい傾向が認められ、特に硝化ポテンシャルで違いが著しかった。天然林における硝化ポテンシャルはB D型土壌で高く、B B型土壌で低い傾向が認められた。同様にブナ林で高く、ミズナラ林で低い傾向が認められた。土壌型の違いはC:N比およびpHと、優占樹種の違いは土壌水分指標の違いとそれぞれ関連が認められた。針葉樹人工林ではA層の深さと最大容水量に大きなばらつきが認められた。二次林では土壌が乾燥する傾向が一様に認められた。一方でC:N比には大きなばらつきが認められた。

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ