乾燥土への浸潤にともなう地温変化と湿潤熱

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タイトル別名
  • Soil Temperature Change and Heat of Wetting during Infiltration into Dry soils
  • カンソウド エノ シンジュン ニ トモナウ チオン ヘンカ ト シツジュン ネツ

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抄録

乾燥した土壌への浸潤現象においては,浸潤前線の進行にともなって前線直前で温度が上昇される現象が観察される。これは,前線から蒸発した水蒸気が土壌に吸着•浸漬する際に発生する湿潤熱によるものである。温度変化は,土壌水の水分ポテンシャルの変化,土壌水の粘性変化を通じて浸潤現象そのものに影響するばかりでなく,土壌内の生化学的現象にも影響すると考えられる。しかしながら,この現象についての一般土壌に対する定量的な実験および解析に関する既往の研究事例は極めて少なく,明らかにするべき課題が多く残されている。本研究では,マサ土,黒ボク土,赤黄色土で乾燥状態での浸潤における地温変化を定量的に把握するため,断熱状態とした土壌カラムの浸潤実験でカラムの温度変化を測定した。また,各土壌の湿潤熱を熱量計法で測定した。その結果,浸潤前線直前においてマサ土,黒ボク土,赤黄色土でそれぞれ最大2.3°C, 21.6°C, 5.8での大きな地温変化が発生した。湿潤熱と地温変化の間には高い相関が認められるとともに,各土壌の湿潤熱は,比表面積ならびにCECとの相関が高いことが明らかになった。

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