馬鈴薯澱粉および澱粉粕の脂質代謝改善効果

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  • バレイショ デンプン オヨビ デンプン カス ノ シシツ タイシャ カイゼン コウカ

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リン含量の異なる馬鈴薯澱粉(低リン澱粉及び高リン澱粉)およびそれらの澱粉の製造時に得られる澱粉粕の脂質代謝改善効果を明らかにするとともに、このような効果が生じる機構についても研究した。(1)高リン澱粉及び低リン澱粉を摂取しても、コーンスターチと比べ体重や盲腸重量に変化がなく、澱粉粕の場合も同様であった。したがって、消化が悪いと重くなると考えられる盲腸重量に変化がなかったことから、上記澱粉及び澱粉粕は、十分消化されているものと考えられた。(2)高リン澱粉は、中性脂肪をコーンスターチと比較して約30%低下させ、遊離脂肪酸も有意に低下させたのに対し、総コレステロールは下げなかった。低リン澱粉の中性脂肪及び遊離脂肪酸低下作用は、高リン澱粉ほど顕著でなかった。(3)高リン澱粉粕は、中性脂肪及び遊離脂肪酸の低下作用がみられたのに対し、総コレステロール低下作用はみられなかった。(4)高リン澱粉及び低リン澱粉を摂取しても短鎖脂肪酸の増加は認められなかったが、高リン澱粉粕を摂取すると短鎖脂肪酸の有意な増加がみられた。澱粉粕にはペクチン等の食物繊維成分が含まれているため、盲腸内の発酵が促進されたものと考えられた。(5)代表的な農産副産物由来の食物繊維素材であるオカラ、アズキ餡粕では、中性脂肪低下作用がみられなかった。

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