日本企業の事業多角化と内部資本市場の役割

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  • ニホン キギョウ ノ ジギョウ タカクカ ト ナイブ シホン シジョウ ノ ヤクワリ

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抄録

<p>本稿は,日本企業の多角化が効率的か,内部資本市場におけるストックでみた資金配分が効率的かを実証的に分析した.効率性を単に資本利潤率やトービンの q といった資本利潤周りに対する効果から評価するのではなく,従業員をも含めた成果である付加価値に対する効果から評価した点に本稿の特徴がある.まずセグメント数自体,およびセグメント間投資機会分散度が目標の企業の付加価値に与える効果についてみると,必ずしも有意水準は高くはないが,マイナス効果をもつことがわかった.この結果は,日本企業ではセグメント間の投資機会格差を拡大させるようなナイーブな事業の多角化は効率的ではないことを示唆している.他方で,内部資本市場によって高投資機会セグメントヘの資金配分を大きくするような配分効果は有効であることが確認された.以上の結果は,セグメントの投資機会データとして類似企業群のトービンのqを用いる場合でも,より直接的にセグメントのキャッシュフローデータを用いる場合にでも同様に得られており,頑強な結果と言える.</p>

収録刊行物

  • 現代ファイナンス

    現代ファイナンス 27 (0), 41-57, 2010-03-31

    日本ファイナンス学会 MPTフォーラム

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