パネンベルクによるバルト解釈の特質とその課題 : 神学史の側面からの考察

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タイトル別名
  • A study on uniqueness and problems in Pannenberg's view of Barthian theology through theological history
  • パネンベルク ニヨル バルト カイシャク ノ トクシツ ト ソノ カダイ : シンガクシ ノ ソクメン カラノ コウサツ

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抄録

本論考は、ヴォルフハルト・パネンベルクの著書『ドイツにおける近代主義神学の問題史』を用いてパネンベルクのバルト解釈を整理し、その特質と課題を検証する。当該著書において、パネンベルクがバルト理解の際に重要であると見なす神学者とは、イーザーク・アウグスト・ドルナーである。パネンベルクは、ドルナーがすでにバルト神学で重要なタームを用いていた点を指摘する。そして、バルトが用いた「三位一体論の根」概念を疑問視する一方で、バルトを「思弁神学の伝統」に位置づけた。本論筆者は、この疑問の中に、パネンベルクによるバルト理解の課題が存すると考える。なぜならば、バルトの『教会教義学』の中で、この「三位一体論の根」概念は、啓示それ自体と、啓示概念を神学的に解釈しようと試みる者との「距離と関係」を明示しているからである。本論考では、この概念をめぐる理解に基づいて、神学史の側面から、パネンベルクによるバルト解釈の課題を考察する。

収録刊行物

  • 基督教研究

    基督教研究 72 (1), 35-49, 2010-07-01

    基督教研究会

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