喉頭腔に嵌頓する有茎性病変を伴い,治療に難渋した巨大血管腫の1症例

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タイトル別名
  • A Case of Giant Hemangioma with Pedunculated Tumor Fitted into the Laryngeal Cavity
  • コウトウコウ ニ カントンスル ユウケイセイ ビョウヘン オ トモナイ チリョウ ニ ナンジュウ シタ キョダイ ケッカン シュ ノ 1 ショウレイ

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抄録

今回われわれは喉頭に嵌頓することで呼吸困難を呈する血管腫の症例を治療する機会を得た。治療の過程で,喉頭病変切除術に際しての予防的な気道確保手段の選択について示唆に富む経験をしたので報告する。<br>症例は48歳の女性で,発声時の呼吸苦を主訴に当院を受診した。内視鏡検査にて,披裂部に基部をもち,発声時に喉頭腔へ嵌頓する有茎性腫瘤を認めた。画像検査では,腫瘤は前頸部皮下から上縦隔まで及ぶ長径約16 cm大の巨大血管腫の一部であった。<br>呼吸苦の改善目的に喉頭有茎性病変の切除を計画した。術後の気道狭窄が予想されたため,気管切開による気道確保と,咽頭側切開による喉頭有茎性病変の切除を予定した。しかし気管前壁への到達以前に腫瘍から多量の出血を認めたため気管切開を断念し,止血・閉創して手術を一旦終了した。再手術では,左咽頭側切開アプローチにて有茎性病変を切除し,経喉頭的気管内挿管により術後の気道を確保した。<br>術後に気道狭窄が予想される喉頭病変の切除に際し,気管切開が困難であるケースでは,術後の気道管理方法として,経喉頭的気管内挿管による管理も念頭において対応することが肝要であることを再認識させられた症例であった。

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