シロップ用エチルコハク酸エリス・マイシンを対照としたシロップ用プロピオン酸ジョサマィシンの狸紅熱に対する二重盲検比較試験成績

書誌事項

タイトル別名
  • A DOUBLE-BLIND COMPARISON OF JOSAMYCIN PROPIONATE AND ERYTHROMYCIN ETHYLSUCCINATE IN THE TREATMENT OF SCARLET FEVER WITH THEIR ORAL SUSPENSION PREPARATIONS
  • シロップ用エチルコハク酸エリスロマイシンを対照としたシロップ用プロピオン酸ジョサマイシンの猩紅熱に対する二重盲検比較試験成績
  • シロップヨウ エチルコハクサン エリスロマイシン オ タイショウ ト シタ シロップヨウ プロピオンサン ジョサマイシン ノ ショウコウ ネツ ニ タイスル ニジュウ モウケンヒカク シケン セイセキ

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抄録

本研究は狸紅熱研究会の研究テーマとして採択・実施されたものである。<BR>医薬品の最終的な評価の手段は, 臨床実験にあることは, 言をまたない。<BR>近年, 従来から広くおこなわれていた通常の臨床実験に代つて, 偽薬または, 常用され, 評価の明らかと考えられる標準薬を対照とした二重盲検による比較対照試験と, その成績の推計学的手法による解析によつて客観的, かつ相対的な評価を得ようとする試みが繁用されるようになつた。<BR>抗生物質を含む化学療法剤の評価に当つては, その適応疾患の性質から, 通常のOpen studyでも, 他の薬剤にくらべれば比較的客観的な判定が可能であろうという考えも多く, 人道上の問題もからんで化学療法剤の二重盲検試験の実施について種々議論がなされてきた。<BR>従来から, しばしば指摘されているように, 二重盲検試験の実施に当つては, 対象疾患の選び方と, それに適合した実験デザインの組み方によつて, その精度が大きく左右される。<BR>狸紅熱は,(1) 患者が隔離収容されているため, 理由不明の脱落がほとんど起らない。 (2) 発症後, 日を経ていない症例では, 病状の経過に対する他の因子の修飾が少ない。 (3) 他の感染にくらべれば, 直接病原菌の消長が観察しやすい等の理由から, 感染症の治療効果を観察する対象疾患としては好都合な条件を備えていると考えられる。<BR>当研究会では, 山之内製薬株式会社によつて新しく開発された小児用ジョサマイシン誘導体製剤の薬効評価に当つて, 小児用マクロライド系抗生物質製剤の中で最も多用されていると考えられるシロップ用エチルコハク酸エリスロマイシンを対照薬とし, 狸紅熱に対するシロップ用プロピオン酸ジョサマイシンの効果を二重盲検によつて比較検討した。

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