登熟後期における栽培ヒエの成熟特性からみた最適収穫時期

  • 熊谷 成子
    岩手県立盛岡農業高等学校 岩手大学農学部附属寒冷フィールドサイエンス教育研究センター
  • 松田 英之
    岩手大学農学部附属寒冷フィールドサイエンス教育研究センター
  • 吉田 晴香
    岩手大学農学部附属寒冷フィールドサイエンス教育研究センター
  • 阿部 陽
    岩手県農業研究センター
  • 佐川 了
    岩手大学農学部附属寒冷フィールドサイエンス教育研究センター
  • 星野 次汪
    岩手大学農学部附属寒冷フィールドサイエンス教育研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Optimum Harvest Time Judged from Muturation Properties of Japanese Barnyard Millet in the Late Ripening Stage
  • トウジュクコウキ ニ オケル サイバイ ヒエ ノ セイジュク トクセイ カラ ミタ サイテキ シュウカク ジキ

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抄録

栽培ヒエの最適な収穫時期を明らかにするために,2003年は栽培ヒエ5系統を用いて,出穂期後日数20日から40日,2004年は栽培ヒエ4系統を用いて,出穂期後日数20日から45日,2008年は2系統1品種を用いて,出穂期後日数25日から40日までの間に5日毎にサンプリングを行った.調査項目は,水分含有率,千粒重,発芽率,粗タンパク含有率,α-アミラーゼ活性,アミロース含有率,糊化特性を調査した.その結果,穂水分含有率は,降雨による影響がなければ,系統・年次が違っても出穂期後日数が進むにつれて低下した.千粒重,発芽率,α-アミラーゼ活性は出穂期後日数25日から40日の間には有意な差異は認められなかった.粗タンパク含有率は,出穂期後日数が進むにつれて徐々に減少し,40日に若干上昇する傾向がみられた.アミロース含有率はウルチ性の「軽米在来(白)」は,出穂期後日数25日から40日の間には,有意差は認められなかったが,低アミロース系統の「ノゲヒエ」は出穂期後25日に対し40日が有意に高かった.70%精白粉の最高粘度は,出穂期後日数25~30日で高くなる傾向を示したが,各特性値は,出穂期後日数25日から40日の範囲内では,統計的有意差は認められなかった.しかし,出穂期後日数20~25日の早刈りは水分含有率が高く,また,出穂期後日数40~45日の遅刈りは降雨によるα-アミラーゼ活性の上昇により,最高粘度が低下して,品質低下を招くおそれがあるため,早刈り,遅刈りは避け,適期収穫は出穂期後日数30~35日と結論できる.

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参考文献 (13)*注記

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