活性炭表面の酸性官能基が燃料油中に存在する4,6-ジメチルジベンゾチオフェンの吸着に及ぼす影響

  • 小野 勇次
    千葉大学大学院工学研究科
  • 西山 毅
    千葉大学大学院工学研究科
  • 天野 佳正
    千葉大学大学院工学研究科 千葉大学総合安全衛生管理機構
  • 町田 基
    千葉大学大学院工学研究科 千葉大学総合安全衛生管理機構

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Acidic Surface Functional Groups of Activated Carbon on Adsorption of 4,6-Dimethyldibenzothiophene in Fuel Oil
  • 臨死期のケア
  • リンシキ ノ ケア

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抄録

燃料油中の含硫黄化合物は,通常水素化処理により除去されている.しかし,この処理方法は高温高圧の反応条件を必要とするうえ,難脱硫性硫黄化合物においては,十分な脱硫効果をあげることができないという難点がある.そこで,常温常圧での処理が可能な吸着による除去方法を検討した.酸性官能基を含む活性炭と含まない活性炭を用いて,燃料油中の難脱硫性硫黄化合物である4,6-ジメチルジベンゾチオフェンの吸着除去を溶媒にn-ヘキサンを用いて行った.酸性官能基の存在により吸着量が増加し,芳香族化合物とπ–π相互作用するCpサイトのほかに,酸性官能基導入により発現したC–O Complexサイトの存在を示した.Bi-Langmuir式より算出した吸着親和力はC–O ComplexサイトのほうがCpサイトと比べて2.5倍大きい値を示した.溶媒に非極性溶媒と極性溶媒を用いて4,6-ジメチルジベンゾチオフェンの吸着を行った.非極性溶媒中では酸性官能基を含む活性炭でより吸着量が多かったが,極性溶媒中では低くなった.また,n-ヘキサン中で4,6-ジメチルジベンゾチオフェンの濃度を一定とし,吸着阻害物質として1-メチルナフタレンの濃度を変化させて吸着を行った.1-メチルナフタレンの濃度増加でCpサイトでの吸着量は減少したが,C–O Complexサイトでの吸着量はほとんど減少しなかった.これらのことから,C–O Complexサイトは極性化合物を吸着しやすいサイトであり,4,6-ジメチルジベンゾチオフェンなどの含硫黄化合物を吸着除去するためには,酸性官能基のような含硫黄化合物を選択的に吸着するサイトを活性炭に導入することが有効であることが示された.

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