採卵鶏における伝染性喉頭気管炎ウイルスと<i>Pasteurella multocida</i>感染による顔面腫脹

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タイトル別名
  • Facial Swelling Associated with Laryngotracheitis Virus and <i>Pasteurella multocida </i>in Layer Hens
  • 採卵鶏における伝染性喉頭気管炎ウイルスとPasteurella multocida感染による顔面腫脹
  • サイラン ケイ ニ オケル デンセンセイ コウトウキカンエン ウイルス ト Pasteurella multocida カンセン ニ ヨル ガンメン シュチョウ

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抄録

千葉県の採卵鶏農場の一鶏舎において,伝染性喉頭気管炎(ILT)の弱毒生ワクチンを接種した群と未接種群が背中合わせのケージで飼養されていた.2009年1月,未接種群のみが流涙,顔面腫脹,産卵低下等を示し,6羽が病性鑑定に供された.剖検では,眼窩下洞や鼻腔にチーズ様物の貯留と鼻粘膜の肥厚がみられた.病理組織学的に,眼窩下洞や鼻腔にグラム陰性小桿菌を含む線維素性化膿性滲出物の貯留と核内封入体と合胞体形成が認められた.病原検索では眼窩スワブからPasteurella multocidaP. multocida)莢膜抗原A型とILTウイルスが分離された.このILTウイルス株は発育鶏卵の漿尿膜に境界不明瞭な小型のポックを形成し,RFLPパターンおよびICP4領域の塩基配列が接種群のワクチン株と一致していた.なお,当該農場では過去30年間にILTの発生がなく,接種群は産卵ピークの状態であった.以上のことから,接種群が産卵ストレスにより排泄したILTワクチン株が,未接種群に水平伝播し,さらにP. multocidaの混合感染により症状が顕在化したと考えられた.

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参考文献 (36)*注記

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