四肢,体幹の血管奇形(脈管性腫瘤)に対する多期手術の経験

書誌事項

タイトル別名
  • Staged-Surgery for Vascular Malformations of the Extremities and the Trunk
  • 症例報告 四肢,体幹の血管奇形(脈管性腫瘤)に対する多期手術の経験
  • ショウレイ ホウコク シシ タイカン ノ ケッカン キケイ ミャクカンセイ シュリュウ ニ タイスル タキ シュジュツ ノ ケイケン

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抄録

四肢,体幹の血管奇形(脈管性腫瘤)に対する整容を目的とする多期手術の経験を報告する.2000年4月から2010年3月までの10年間に多期手術を行った四肢,体幹の血管奇形(脈管性腫瘤)は4例で,うち3例がリンパ管腫,1例が動静脈奇形であった.前者は2例が海綿状リンパ管腫,1例が嚢胞状リンパ管腫で,いずれもOK432による硬化療法の後に切除術を施行した.後者では血管腫との鑑別を目的に経過観察を行った後,血管奇形の診断で切除術を施行した.手術はいずれも初回は部分切除で,1年から3年を経て追加切除を施行した.リンパ管腫の症例では初回手術の術中あるいは術後にOK432の局注を併用した.4例とも追加切除後は経過観察のみで,最終治療より1年7か月から6年10か月を経過して局所の再腫脹や治療による合併症などは経験していない.局所の整容については,リンパ管腫の2例において良好で,残るリンパ管腫1例と動静脈奇形の症例では3回目の追加切除または形成術の必要性も視野に入れながら経過観察を行っている.身体の発育,成長を見極めながら多期手術を行うことにより,機能損傷をきたさず,また整容面においても満足な結果を得ることができるものと考えている.

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参考文献 (9)*注記

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