Howship-Romberg徴候を坐骨神経痛として見過されていた閉鎖孔ヘルニアの1例

  • 加藤 丈陽
    西予市立野村病院内科
  • 川本 龍一
    西予市立野村病院内科 愛媛大学医学部地域医療学講座
  • 楠木 智
    西予市立野村病院内科 愛媛大学医学部加齢制御内科学

書誌事項

タイトル別名
  • A case of obturator hernia with overlooked Howship-Romberg sign and treated as sciatica
  • 症例報告 Howship-Romberg徴候を坐骨神経痛として見過されていた閉鎖孔ヘルニアの1例
  • ショウレイ ホウコク Howship Romberg チョウコウ オ ザコツ シンケイツウ ト シテ ミスゴサレテ イタ ヘイサコウ ヘルニア ノ 1レイ

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抄録

Howship-Romberg徴候を坐骨神経痛として見過され,イレウスを発症し診断された右閉鎖孔ヘルニアの一例を報告する.症例は88歳女性で3年前より右大腿部痛があり,整形外科にて坐骨神経痛と診断されていた.2009年7月食欲不振を主訴に入院.翌日右大腿部痛の増強及び下腹部痛が出現したため腹部超音波検査を行ったところkey board signを認めた.イレウスと診断,イレウス管を挿入し減圧をしたところ改善した.イレウス管抜去後右大腿部痛が再出現.また,大腿径に左右差が見られたためヘルニアを疑い造影CTを行ったところ恥骨筋と閉鎖筋に挟まれた領域に腸管の嵌頓所見を認め手術適応と判断した.開腹してみると回腸末端から約15 cm口側の回腸が右閉鎖孔に嵌頓しており嵌頓腸管を切除した.術後イレウス症状,右大腿部痛は消失した.原因不明の右大腿部痛やイレウス症状が高齢者にみられた時は,閉鎖孔ヘルニアを念頭に置くべきである.<br>

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参考文献 (9)*注記

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