糖尿病性ケトアシドーシスにより心停止を来し,蘇生後に小腸狭窄を合併した劇症1型糖尿病の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Ischemic Stricture of the Small Intestine due to Cardiac Arrest caused by Diabetic Ketoacidosis in Fulminant Type 1 Diabetes
  • 症例報告 糖尿病性ケトアシドーシスにより心停止を来し,蘇生後に小腸狭窄を合併した劇症1型糖尿病の1例
  • ショウレイ ホウコク トウニョウビョウセイ ケトアシドーシス ニ ヨリ シン テイシ オ キタシ ソセイゴ ニ ショウチョウ キョウサク オ ガッペイ シタ ゲキショウ 1ガタ トウニョウビョウ ノ 1レイ

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抄録

症例は21才,男性.2010年8月中旬より嘔吐,下痢が出現したため,脱水予防に清涼飲料水を1日6 l飲んでいた.3日後に応答が緩慢となりふらつきも強いことから来院.JCS I-3,血糖1639 mg/dl,尿ケトン強陽性であり糖尿病性ケトアシドーシスが疑われたが,その直後に外来にて突然心停止を来たした.速やかに心肺蘇生を施行し救命し得た.HbA1c 5.7%,尿中Cペプチドは感度以下,抗IA2抗体は陰性,抗GAD抗体は弱陽性ではあったが劇症1型糖尿病と診断した.その後,小腸イレウスを発症.腹部CTにて小腸狭窄を確認し,腹腔鏡下小腸切除術を施行した.本症例は劇症1型糖尿病発症に加え,ケトアシドーシスを経て高カリウム血症により心停止に至ったと推定される.小腸狭窄は心停止時の循環不全に伴う虚血性変化と推測されるが,側副血行が豊富な小腸の虚血は稀であり,一連の経過は興味深い.<br>

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 54 (5), 356-360, 2011

    一般社団法人 日本糖尿病学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (10)*注記

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