湿害軽減による多収を目指した麦・大豆の栽培技術と耐湿性育種のイノベーション : 麦・大豆栽培における湿害の現実と研究展開

書誌事項

タイトル別名
  • Research activities on wet injury of wheat, barley and soybean in Japan
  • シツガイ ケイゲン ニ ヨル タシュウ オ メザシタ ムギ ダイズ ノ サイバイ ギジュツ ト タイシツセイイクシュ ノ イノベーション ムギ ダイズ サイバイ ニ オケル シツガイ ノ ゲンジツ ト ケンキュウ テンカイ

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抄録

わが国における水田転換畑で発生する畑作物の湿害について、その軽減克服のために何が必要かを討議するシンポジウムを行った。そこでは、湿害の軽減には、まず圃場管理における排水対策が基本にあることを確認した。また、新しく卵菌という病原菌の関与が明らかとなり、その防除による湿害軽減が期待された。これらは現場ですぐ使える技術として有効である。さらに、日本の気象、土壌環境において畑作物を安定的に生産するには、長期的な観点での耐湿性作物開発の取組みが重要である。耐湿性を付与する新しい考え方として、通気組織形成遺伝子の利用に期待がかけられた。湿害問題は難しく、研究継続の難しさも報告されたが、耐湿性のメカニズムの解明など、基礎的な研究に継続して取り組みながら、現場への技術導入には分野を結集しての協力体制をとることにより、耐湿性研究のイノベーションが果たされる可能性が示された。

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