限局性腎腫瘍に対するdaVinci<sup>TM</sup> Sシステムを用いたロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術(RALPN)~初期5症例の治療成績の検討~

書誌事項

タイトル別名
  • ROBOT-ASSISTED LAPAROSCOPIC PARTIAL NEPHRECTOMY USING daVinci S<sup>TM</sup> -SURGICAL SYSTEM FOR LOCALIZED RENAL TUMOR: REPORT OF INITIAL FIVE CASES
  • 限局性腎腫瘍に対するdaVinci Sシステムを用いたロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術(RALPN)--初期5症例の治療成績の検討
  • ゲンキョクセイジンシュヨウ ニ タイスル daVinci S システム オ モチイタ ロボット シエン フククウキョウ カジンブブン セツジョジュツ RALPN ショキ 5 ショウレイ ノ チリョウ セイセキ ノ ケントウ

この論文をさがす

抄録

(目的) 近年,小径腎腫瘍に対する手術療法は腹腔鏡下腎部分切除術(LPN)がトレンドである.しかし,温阻血(WIT)が必要となるLPNでは手術操作の煩雑性や時間的な制約により,出血や温阻血の延長が元で合併症のリスクが高まる傾向がある.当施設では2010年8月より小径腎腫瘍に対しロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術(RALPN)を開始し,5例のRALPNを施行した.現在までに本邦でのRALPNの報告は無く,本術式の方法,成績や安全性等を検討し報告する.<br> (対象と方法) 5症例の患者年齢は41~65(中央値:61)歳,男性4例,女性1例.腫瘍径は15~28(同:20)mmで,腫瘍位置により経腹膜アプローチ(2例)と後腹膜(3例)を施行した.<br> (結果) 5例のRALPNは単一術者により施行され,全例でロボット手術を完遂し開放手術への移行は無かった.手術時間は2時間30分から4時間24分(中央値:3時間09分),出血量は10から50mL(同:29mL)で,輸血例は無かった.摘出重量は4から13g(同:7g),温阻血時間は13から26分(同:18分)であった.術中術後に特記すべき有害事象を認めず,再手術施行例も無い.病理診断は全例とも腎細胞癌pT1aであり,マージンもフリーであった.<br> (結論) ダビンチを導入することにより,腹腔鏡手術の難点である鉗子操作の制限は改善され,腫瘍切離,止血縫合などの手技が安定化した.ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術は,低侵襲性を維持した上に術中術後の合併症の発生を低下させ,WITを短縮し術後の腎機能やQOLの改善にも有効と考えられた.<br>

収録刊行物

参考文献 (45)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ