左大脳半球梗塞による声帯麻痺の1例

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  • Transient Vocal Cord Palsy Caused by Hypoperfusion of Unilateral Hemisphere
  • Case Report : Transient Vocal Cord Palsy Caused by Hypoperfusion of Unilateral Hemisphere

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抄録

左大脳半球の血流低下による,軽度の構音障害と右半身脱力で発症した68 歳男性を報告する.MR アンギオグラフィでは,左中大脳動脈(MCA)のsecond portionに高度狭窄を認めた.治療開始後,嗄声が出現しその後呼吸困難となった.喉頭鏡による検査では右声帯の完全麻痺を認めた.通常片側の皮質球路障害では片側の声帯麻痺を生じることはないとされている.しかし,対側の皮質機能低下により片側の声帯麻痺を生じる症例報告が散見され,皮質球路は完全な両側支配ではなく左右いずれかの優位側が存在する可能性が示唆されている.本症例では,左MCA の高度狭窄による左大脳皮質の機能不全が一時的に存在し,そのため対側の右声帯麻痺を来した可能性があると考えられた.

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